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ケルトとキャベツ

 

 
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National Geographicという雑誌に連載されていたらしい、Victor R.Boswellという人の記事でOur Vegetable Travelersというものがあり、その中でキャベツとケルトの関係について興味深いことが書いてあったので、ここで取り上げたい。一流誌でもあり、ケルト特集といったものではなく、野菜特集の中での記事なので、比較的客観性が高いかと思い、取り上げるものである。

それによると、キャベツに関わる3つの言葉はケルト系の言葉から出ているということだ。まずは既に書いたように、ラテン語の学名の Bressicaというのがケルト語でキャベツを意味するBresicという言葉から。続いてcabbageなどの語源となったといわれるcap/kap という言葉はケルト・スラヴ系の言葉で頭を意味すると言う。最後にkaleなどの語源になったといわれるのはケルト・ゲルマン・ギリシャ系のcaulという言葉で、茎を意味すると言う。つまり、キャベツというものにはケルト文化が大きく関わっているという説なのだ。この説に従えば、これほど広くケルト語が 受け入れられたということをかんがみれば、ケルト人が原種キャベツの利用について当時としては先端的な知識を持っていたのだろう、と想像できる。そしてさ らに想像をたくましくすると、Caulという言葉がギリシャ系の言葉であることを考えると、ローマ人がギリシャ人よりも先端的なキャベツの利用法をケルト人から取り入れたことにより、ギリシャ人を越えたのだ、ということをアピールするためにあえて純粋ケルト系のキャベツの呼び方をラテン語の学名にすえたと いうことも考えられる。

ただし、念のために付け加えておくと、私の持っているアイルランド語の辞書ではそれらの言葉を見つけることはできなかった。まあアイリッシュケルトがケルトの主流であったわけではもちろんなく、アイルランド語の辞書に載っていないことが即ケルト語ではないと決め付けることはできない。とはいえ、少なくとも頭のような基本的語彙に関しては何らかの関連性が見られてもおかしくはないのに、それが見当たらないというのはどうにも引っかかる。このcap/kapに関してはケルト起源ということに関して私は非常に懐疑的である。Cap、つまりラテン語のcaputという言葉については、私の貧弱な知識の中ではローマの7つの丘のひとつのカピトリーノの丘からとられているのではないか、と考えていることが一つの理由である。さらにいえば、 Celto/Slavicというのがどうにも引っかかる。私の理解の中ではケルトとスラヴは地理的にも時代的にもどうにもつながらない。ケルト・スラヴ系の言葉などというものが存在するのかが良くわからないのである。(*1)同じ理屈でケルト・ゲルマン・ギリシャ系の言葉というのもどうにもよくわからないが、何らかの形で起源が特定できるのであれば、こちらはまだ可能性としてはありうるのかもしれない。

*1 こちらでは古代ケルト人とスラヴについてのかかわりを指摘している。興味深いが深く分析するだけの能力は持ち合わせていない。

2011年1月14日 追記
いろいろ見てみると、ボヘミア地方でのケルト人とチェコ人の密接な交流など、ケルトとスラヴの間にはかなり深い関係があることはわかった。しかしながら、いまだ深い理解には至っていない。

2011年8月28日 追記
ケルトの歴史を調べてみると、紀元前の時期から、アルプス北部、つまりドイツ南部や中欧にかけてケルト系の民族が広く生活していたようだ。その中で、ボイイ族と呼ばれる人たちがアルプス南部に進出し、イタリア北部に勢力を張っていた(イタリアの都市のボローニャは、ボイイ族の地、といったような意味のようだ)。彼らは、第二次ポエム戦役でかのハンニバルがイベリア半島からはるばるアルプスを越えてローマに侵入したときに、その軍に加わってローマと戦った。 その結果、彼らは敗れ、生き残った者はアルプス北部に押し戻され、主にボヘミア地方に住み着いたという。このあたりがCelt/Slavicというものの背景となる歴史なのだろう。

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